私たちの関係は、切れかけた電灯みたいだ。

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「ふざけんなよっ!」

 そう言いながらの事を蹴りつけているのは、イジメグループの大将だ。

うざい。

そう、湧き出る感情を抑えるのは難しい事だった。

やろうと思えば簡単なのだ。
私は、ただの学生ではない事を自覚している。

 あの後、祖母から聞いた話だ。

の祖父は、過去の森羅万象の継承者を封印する役目を負った、有名な封印師の一人だと言う事。
封印師というのは、結界を張って何かを封印するスペシャリストの事だ。

ただ、父親は才能が無かった。
そして、大掛かりな結界を仕掛ける際に失敗し――死んだ。

また、母親も、その事件で神経がおかしくなり、発狂し、今は施設にいる。

だから、もしも。
次に森羅万象が現れ、問題視された時は。
私も、動かなければならないから。

だから、同級生で接点の多い森羅万象――六条 壬晴に、近寄らないようにしていた。

しかし、今回は助太刀するように祖父から頼まれた。
そうすると、当然話してしまうわけだったのだ。

仕方ないんだ。

「……ね、? 聴いてる?」

 話し掛けてくるのは、壬晴の友達――雷鳴だった。

「きいてるよ。一応」

 本当に? ときいてくる。
何でこんなに馴染んでいるんだろう。

「じゃ、明日、駅でね!」

 そう言って、皆帰っていった。

皆は知らない。
私が、森羅万象を手にかけるかもしれない、と言うことを。
結界師だということを。

― ―

私たちの関係は、切れかけた電灯みたいだ。

お互いの中身を何も知らないで、どうすれば維持できるのかもしらないで。

結局、電球は交換するしかないんだから。