ていうかぶっちゃけ言うとあたしは雷光さんがちょっぴり苦手だ。初めて灰狼衆へ突撃訪問してきた時も、コイツとはあわねーなーという心の中のセンサーっていうの?そういうのが発動した。それはもう大きな音がブワァアアンと。だってさ、金髪で長髪で学ランって、思いっきり不良じゃない??寧ろこの灰狼衆も結構不良の集いだとは思ってるんだけど(ていうか灰狼衆っていう名前からしてコ・ワ・イ!)んでさぁ・・・・怖い怖い言うのはいいんだけど、その張本人が目の前に(し、しかも至近距離!!)居るのはどういう事でしょう?あ、そうか神様とうとうあたしを見放したってワケですね?そうなんですね?どうせさぁ、あたしは悪い事してきましたよ。えぇ。確かに首領のお菓子をつまみ食いどころか完食したり、宵風のキャスケットをシルクハットにすりかえたりしたのは悪い事だとは思うけど・・・でも、でもさ。神様って酷くない!?何もそこまでしなくてよかったじゃん!あたしはただ幸せな・・・こう・・・ね?日々を送り、かつ時には体がゾワリとするスリルを味わうという素敵な薔薇色とはゆかぬとも少しは美しめの生活を送るんじゃないの!?それすらも許されないのですか神様。嗚呼、悲しき哉。というかそんな別に神様に喧嘩売ってるとかほんとそーゆーんじゃないんで今の状況なんとかしてください。
「どうしたの?、顔赤いね。ていうか体熱いよ」
「いえいえいえいえ滅相も御座いませぬぞよ清水さま。さぁさぁさぁ、この手を離してくださいませ」
「それはできないかなぁ」
笑顔でサラリと言われる。なかなかグサリとくる。ていうかその前に、あたしの背中は壁でその両側に手をついている雷光さんは異常に黒いオーラというか何というか放ってる。宵風の食事をつまみ食いすると奴も何やら紫とも呼べるオーラを出して追いかけてくるんだけど、雷光さんはそんなもんじゃない。ていうか雷光さんは静かに怒るタイプだろう。何か目が笑ってないんだけど。一体私が何をしたってゆうの。雷光さん、少しでもいいから慈悲というお気持ちをください。てか!てか!顔!近づけないでよ!一応雷光さんは美形なんだぞ!そんなに無防備になってるとおじさんに食べられちゃうぞ!(いやいや、今彼は食べてるけど)でもさーやっぱ腐っても美形というか・・・近くで見ると面食いじゃないあたしでもドキドキするね。何でこんなところに入ってきたんだろう?あたし的にはジャニーズとかに入っていっぱい稼ぐ方がずっと家計にはいいと思う。絶対収入よさそうだ。あ、ホストでもいいかも。この優しそうな風貌が意外におばさま達にウケたりして・・・最近はヨン様ブームらしいからね。って!そんな事考えてるうちに雷光さんの顔が迫ってきてるんですけど!え!?これってどういう事!?あたしに対する本格的な嫌がらせなのか!?私首領や宵風や雪見には悪戯したけど雷光さんには一度も手を出した覚えは無いぞ!?(というか誰が、出せるか!)い、いやー!顔がチ・カ・イ!雷光さんってばキ・レ・イ!ってかそんな場合じゃなくて誰か助けてくださーい!此処に変態がいまーす!上司にセクハラしてまーす!(これでも一応あたし上司なんだよ、雷光の)あ、そういえばこの前雷光さんには妹が居るって聞いたな。兄弟は似るっていうしな・・・妹さんも美人なのにエロイのかな、雷光さんみたく。美人には会ってみたいけどエロイのは嫌だな・・・純粋な子だといいなぁ・・・。それよか雷光さぁあん!本当に美しいですから!貴方美しいからいいよもう!貴方の美しさは誰もが認めてるから、もう止めよ!あ、触れちゃった!うわーん、あたしのファーストキスがぁあ・・・・・・
「好きだよ、。付き合って欲しい」
「言う順番間違えてます」
「返事は急がないから、ゆっくり考えて。・・・・ご馳走様。」
(聞いちゃいねー!!)
去ってゆく後姿に、思わずあたしは胸をドキリとさせてしまった。
(・・・え?ドキリ?今ドキリっつった?)(そ、それってもしかして不本意すぎるけどもしかして・・・え??)
あたしはドキドキと高鳴る胸を押さえて去ってゆく雷光さんの背中に向かって叫んで走り出した。









あの・・・雷光さん!
(お返事の件ですが、オーケーという事で!)


ヨン様ブームとかいつの時代の話ですか